不動産売却の第一歩!仲介査定と直接買取査定の違いとメリット・デメリット
日々の業務のなかで、相続した実家の処分や、住宅ローンの支払いが困難になった場合の売却(任意売却など)でお悩みの方からご相談をお受けすることがよくあります。不動産を手放す際、まず気になるのが「自分の家はいくらで売れるのか?」ということですが、実は売却の方法によって「価格査定」の考え方は大きく異なります。
今回は、不動産会社を通じた「仲介会社による売却査定」と「直接買取りを行う業者による査定」の考え方の違い、そしてそれぞれのメリット・デメリットを整理して解説いたします。
なお、2024年4月より相続登記が義務化されました。相続した不動産の売却をお考えの方はとくにご注意ください。登記手続きについてはお早めにご相談いただくことをお勧めします。
1.仲介会社が行う「売却査定」の考え方
仲介会社(宅建業者)が行う価格査定とは、専門家の立場から市場の動向を調査し、「一般の買主に向けていくらで売り出せば成約できそうか」という客観的な成約見込価格を算出するものです。
主に周辺の過去の販売事例をベースに、駅からの距離や居住環境などの条件を比較・補正する取引事例比較の考え方をもとに、いわゆる実勢価格(時価)を割り出します。
メリット
・市場価格に近い高値で売却できる可能性が高い
広く一般の購入希望者を募るため、より好条件で買ってくれる方を見つけやすくなります。
・不動産会社と目的を共有しやすい
仲介業者の報酬(仲介手数料)は売買金額に応じて上限が決まるため、物件が高く売れた方が業者の利益も大きくなります。そのため、売主と「少しでも高く売る」という目的を共有しやすいのが特徴です。
デメリット
・買主が見つかるまでに時間がかかる
すぐに買主が現れるとは限らず、居住しながら売却活動を行う場合は内覧対応などの手間もかかります。
・「囲い込み」や不当な値下げ誘導のリスクがある
業者によっては、自社で買主を見つけて売主・買主の双方から手数料を得る(両手取引)ことを狙うあまり、他社への物件情報の公開を制限する「囲い込み」を行ったり、媒介契約を取るために高額な査定額を提示した後に大幅な値下げを迫るケースもあるため、信頼できる担当者を見極めることが大切です。
2.直接買取り業者による「買取査定」の考え方
不動産会社自らが買主となる「直接買取り」の査定は、仲介とは根本的に考え方が異なります。買い取り業者の目的は、買い取った物件にリフォームやリノベーションで付加価値をつけ、再販して利益を出すことです。そのため、査定額は「市場で売れる価格から、業者の改修費用や利益などを差し引いた金額」としてシビアに算出されます。
メリット
・迅速に売却・現金化ができる
買主を探す期間が不要なため、確実に決済してもらうことができます。資金を急いで確保したい場合や、住み替えの期限が決まっている場合には大きなメリットです。
・修繕や不具合の責任を負わずに済む
雨漏りや設備の故障など、老朽化した建物でリフォームが必要な場合でも現状のまま買い取ってもらえることが多く、売却後の不具合に関するトラブルや修繕費用のリスクを回避できます。心理的瑕疵(かし)がある物件にも対応してもらいやすい点も特徴です。
デメリット
・査定額(売却価格)が市場価格より安くなる
業者の転売利益やリフォーム費用が差し引かれるため、仲介で一般の買主に向けて売却する場合に比べて、価格がかなり低くなることが最大のデメリットです。
3.司法書士からのアドバイス~売却前の権利関係の整理~
「高く売りたいから仲介」「早く・確実に売りたいから買取」と、ご自身の目的に応じて売却方法を選ぶことが大切ですが、どちらを選ぶにせよ、不動産を売買するためには権利関係の整理が不可欠です。
例えば、親から引き継いだ実家を売却する場合、まずは相続登記(名義変更)と抵当権の抹消登記を済ませておく必要があります。また、土地の売却では、後々の隣人との境界トラブルを防ぐためにも、事前に土地家屋調査士などに依頼して境界を確定する測量が求められるケースが多いです。
不動産売却を検討される際は、不動産会社へのご相談と併せて、名義変更や担保抹消などの法的手続きについても、ぜひお早めに司法書士・行政書士津田リーガルオフィスまでご相談ください。スムーズで後悔のない不動産売却を、法務の面からしっかりとサポートいたします。



