実家の空き家、放置していませんか?知っておくべきリスクと広島市の支援制度

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 ご両親から実家を相続したものの、遠方にお住まいであったり、使い道が決まっていなかったりして、戸建ての家や分譲マンションをそのまま「空き家」「空き室」として残してはいませんか?
 実は、空き家・空き室をそのまま放置してしまうと、所有者にとって取り返しのつかない大きなトラブルに発展する可能性があります。

 今回は、空き家を放置するリスクと基本的な対応策についておさらいした上で、広島市にお持ちの空き家で利用できる具体的な補助金・支援制度について解説いたします。

 あなたの大切な資産を守るための重要な情報ですので、ぜひ最後までお読みください。

1.空き家・空き室を放置する、あまりにも大きすぎるリスク


 誰も住まなくなった家は、換気や通水が行われないため、人が生活している家と比べて傷みの進行が驚くほど早くなります。具体的には、次のようなリスクが連鎖的に発生します。

① 建物の急速な劣化とご近所トラブル

 お手入れをしないと、雨樋の破損や屋根瓦のズレ、雨漏りによる建物の腐朽が起こります。また、庭木や雑草が繁茂して隣地や道路にはみ出したり、不法投棄や不審者の侵入といった防犯上の問題を引き起こす恐れもあります。

② 莫大な損害賠償責任

 これが最も恐ろしい点ですが、空き家の管理不全が原因で事故が起きた場合、所有者は多額の損害賠償責任を負う可能性があります。想定される損害額の試算として、以下のような非常に高額なケースが挙げられます。
  • 倒壊により隣家が全焼し、隣家のご家族(夫婦・女児)が死亡した場合:2億円以上
  • 火災により隣家が全焼し、ご夫婦が死亡した場合:6,000万円以上
  • 劣化した外壁材などが落下し、通行人の男児が死亡した場合:5,000万円以上
  • シロアリや住みついたネズミが隣家に被害をもたらした場合:約24万円(※複数の家屋に被害が広がれば損害額はさらに膨れ上がります)

③ マンションの空き室特有のリスク(管理費等の滞納とスラム化)

 分譲マンションの空き室を放置し、所有者が管理費や修繕積立金を長期間滞納してしまうと、マンション全体の維持管理資金が不足します。これにより共用部分の清掃や配管の修繕ができなくなり、管理組合が機能不全に陥り、マンション全体がスラム化・廃墟化する恐れがあります。

 「知らなかった」では済まされない事態になる前に、所有者としての適切な管理や早期の決断が不可欠です。

2.空き家・空き室問題を防ぐ基本ステップ


 このような事態を防ぐため、以下の基本ステップで対応を進めましょう。

 ① 名義を明確にする

 不動産を引き継いだ場合、まずは「相続登記」を行いましょう。令和6年4月からは相続登記が義務化されています。

 ② 維持・管理を行う

 自分で月に1回程度は通風や点検を行うか、遠方の場合は月5,000円程度から利用できる業者の「定期管理サービス」を利用するのも一つの手です。また、マンションの空き室においては、管理費滞納者への対応や、所在不明者がいる場合の集会(総会)決議のサポートなど、マンション管理士による管理組合の立て直しが問題解決の鍵となります。

 ③ 利活用する

 「定期建物賃貸借契約」を利用して期間を限定して貸し出したり、借主が自由に修繕できる「DIY型建物賃貸借契約」、さらには一般社団法人による「マイホーム借上げ制度」を利用して安定した賃料収入を得る方法などがあります。
 空き家を民泊や店舗などに転用する場合には、行政書士が住宅宿泊事業法や旅館業法などに基づく届出・営業許可申請をスムーズにサポートいたします。
 売却の際は、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円が控除される特例を利用できたり、専門家による「建物状況調査(インスペクション)」を行うことで買い手の不安を解消し、スムーズな売却につなげることができます。

3.広島市の手厚い空き家支援制度


 空き家の改修や解体には相応の費用がかかりますが、広島市には空き家の活用・管理を支援するため、改修などに係る費用の一部を補助する制度や税の負担を軽減する独自の支援制度が用意されています。行政への補助金申請サポートも行政書士の得意分野です。
 現在広島市に空き家をお持ちの方は、以下の4つの制度が利用できないか、ぜひ確認してみてください。

① 老朽危険空き家の除却補助

老朽化により倒壊の恐れがあるなど、危険性が高いと判断される空き家を解体(除却)する場合に、その工事費の一部を補助する制度です。
  • 補助金額:最大 50万円
※ 注意点:補助金の交付申請ができるのは空き家の所有者であり、所有者が複数いる場合は全員の同意が必要です。また、すでに除却中、あるいは除却済みの空き家は対象外となりますので、必ず除却工事の契約前に補助要件等の確認や手続きを行う必要があります。

② 居住を予定している空き家の耐震化(耐震診断・耐震改修等工事)補助

旧耐震基準の住宅であることなど一定の要件を満たす戸建木造住宅に対して、今後居住を予定している場合に、耐震診断や耐震改修等工事の費用の一部を補助してくれます。
  • 耐震診断費の補助額:最大 4万円
  • 耐震改修等工事費の補助額:最大 115万円
 これから実家に戻って住もうと考えている方や、中古の空き家を購入して移住しようと考えている方にとって、非常に心強い制度です。

③ 住宅団地における住替え促進事業

 広島市内の169の住宅団地を対象とした、若年層の定住を促進するための制度です。3か月以上空き家となっている住宅に、子育て世帯(小学生以下の子どもまたは妊娠中の方がいる世帯)が入居する場合に、リフォーム費や家賃の一部が補助されます。
  • リフォーム費補助額:最大 50万円 / 戸
  • 家賃補助額:最大 2万円 / 月(最長24ヶ月)
 令和6年度からは、親族から取得(相続・贈与を含む)した空き家も補助の対象となりました。親から団地の空き家を譲り受けて、自分たち子育て世帯が住むためのリフォームにも活用できる可能性が高まっています。

④ 空き家等を活用した活動・交流拠点認定制度

 空き家や空き店舗を単に住居として使うのではなく、地域住民の活動や交流の場(コミュニティスペースなど)として活用する場合に、市が「活動・交流拠点」として認定する制度です。
  • 支援内容:運営等に関して情報提供や助言を受けられます。
  • 税制上の優遇:認定されると、その拠点となっている家屋・土地の固定資産税及び都市計画税の減免が行われます。地域貢献をしながら税負担を減らすことができる、画期的な制度です。

※これらの制度の利用にあたってはそれぞれ細かい要件が定められているため、事前に広島市の住宅政策課や建築指導課などの相談窓口へお問い合わせください。

おわりに:空き家・空き室問題は当事務所にご相談ください


 空き家や空き室の問題は、権利関係の整理、補助金や許認可の行政手続き、マンション管理組合の運営立て直しなど、多岐にわたる専門知識が必要となります。

 当事務所は、司法書士としての「相続登記(名義変更)」や「権利関係の整理」、行政書士としての「補助金・助成金の申請サポート」や「民泊等への転用に伴う許認可申請」、さらにマンション管理士としての「機能不全に陥った管理組合の運営サポート」や「管理費滞納者への対応」など、様々な角度からワンストップで対応可能です。

 空き家を「負動産」にしてしまわないためには、まずは現状を把握し、行政の手厚い支援制度を賢く利用することが重要です。
 お一人で抱え込まず、まずは司法書士・行政書士 津田リーガルオフィスにご相談ください。あなたの大切な資産を守るため、各種資格の専門知識を活かして全力でサポートいたします。